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3月に入り、オープン戦が本格的に始まりました。この週末は昨年の覇者ソフトバンクとの対決、投打ともに充実している日本一のチームに対して野手・投手ともにどこまで通用するか、一つのキャンプで鍛えた結果の試金石として見ていました。
先発は今年もローテ入りが決まっている秋山、野手陣は遊撃争いの糸原・西岡、中堅手争いの島田・高山・中谷がそれぞれ先発出場する形となりました。そして、二軍から昇格した上本も早速一番二塁でスタメン出場。
相手チームはばりばりのローテ投手バンデンハーグが先発、スタメンも柳田・内川・デスパイネはいませんが略一軍スタメン選手が登場しました。
では結果を振り返ってみたいと思います。
対ソフトバンクオープン戦試合結果
野手陣感想
3月初めに素晴らしい投球を見られたことを収穫と思おう!
まず野手陣はバンデンハーグの直球にどの位対応できるか注目していましたが、見事に誰も対応できませんでした(涙)。
今日のバンデンハーグは150km/h超を軽く計測し、キレ・制球ともに抜群でしたので、シーズン中であっても打ち崩すのは難しいでしょうし、まあ特に投手有利な今の時期であの投球を見せられてしまっては、ではいかに若手が仕上がりを早めているとはいえ対応は難しいかなと。
従い、今日は調整中の投手を打ち崩し喜ぶのではなく、最終的に開幕後に打たなければいけないレベルの投手と投球の質に早い段階で触れられたことを収穫だと考えるべきだと思います。
それぞれの打者がここまでよいパフォーマンスを見せてきましたが、今日全く歯が立たなかったこと、特に直球に全く合っていませんでした。これで、開幕後にどんな球を打たなければいけないかのレベリングはできたと思いますので、昨日課題に感じたことを開幕までにどこまで改善できるか、これにより開幕一軍選手が選ばれていくと思います。
それにしても、バンデンハーグは仕方がなかったかとは思いますが、その後の育成選手からも点を取れなかったことは大きな反省材料です。
躍進の昇格組
安芸キャンプからの昇格を果たした上本と緒方。
上本は、一本目はポテンヒットだったものの2安打を放ちアピール成功。更には相手が二軍選手の谷川原だったからとはいえ、二盗、三盗を成功させ、鳥谷にはできない芸当でアピールをしてくれました。まだまだ鳥谷決定じゃないよというところをこれからがんがんアピールしていってほしいと思います。この辺は上本が本当に良ければ金本監督も柔軟な判断を下してくれるものと信じています。
そして、昨年MVPのサファテから見事な中越本塁打を放ち、一発回答を果たした緒方。この手の二軍で燻っていた選手が活躍してくれるのは本当にうれしいですね！ライバルとなりうる同タイプの島田が、やはり一軍主戦級投手の速球への対応がまだまだなところが今日見え隠れしましたので、開幕一軍どころかこのまま活躍を続ければ開幕センターまで見えてくる可能性があります。緒方が使われるかどうかは守備が安心してみていられるかが一つのポイントとなりますので、明日は緒方を守備でも起用してほしいですね！ここが改善しているようなら、戦力化できるチャンスが大いにあります！
顕在化してしまった不安、糸原の遊撃守備
ここまで打撃で見覚ましい活躍を見せていた糸原、今日も5番ショートで出場し1安打を放つなど打撃面でのアピールは続けていますが、昨年からラ米の虎としては糸原の遊撃手起用に関しては消極的な意見でした。というのも、元々二塁・三塁の選手、アマチュア時代も遊撃手は殆どやっておらず、ところてん的にやらせた去年も守備範囲の狭さ、送球の遅さなど守備の課題が山積みで、とても遊撃手の動きではありませんでした。
但し、これまでやっていなかったからといって、練習を積めばできる可能性は若い選手であれば当然あるので、リーグ平均くらいの守備力さえつけば出塁力と打力の高い糸原の起用に賛成との立場でした。
ということで、注目していた守備実践機会でしたがやらかしてしまいましたね。一つはエラー。あれは待って取ってはダメですよ。この前の北條のエラーは注意不足というレベルのポカのエラーだったのですが、糸原のエラーは遊撃手としての動きがそもそも間違えている。即ち、やらなければいけないことが分かっておらず、判断をミスしたということ。この時点で遊撃手として起用することには大いなる不安が残ります。
そして、その後の梅野の二塁送球の際のバックアップの動き。あれもバックアップに入るのが遅すぎてセンター前にボールをそらし三進を許してしまう。その後犠飛でノーヒットノー四死球で一点ですよ。あれは梅野にエラーがつきましたが、悪いのは取れなかった植田とバックアップが遅れた糸原です。
バンデンハーグが打てなかったのは想定の範囲内ですが、糸原の守備のレベルに関しては今日の一番のがっかりポイントですね。開幕まで時間ありますので徹底的に鍛え直してほしいと思います。
投手陣感想
上々の仕上がりの秋山
二年目のジンクスを若干心配していましたが、今のところは全く問題ないですね。球速こそでないものの、糸を引いたように低めにコントロールされた直球と、新球のチェンジアップも交えた変化球で十二分の投球を見せてくれました。先発投手陣は6枚目までの投手いずれも不安点が残っているだけに、まず2番手の秋山が結果を残したことは大きなポジティブポイントです。
本人はよかったと言ってるけど球児大丈夫？
本日二安打二失点で負け投手となった球児、本人談では「直球の軌道もよく悪くはない」とのことでしたが、直球の球速は140km/h半ばに留まり、コントロールはされていたものの、直球を気持ちいいように引っ張られていました。まあ大ベテランの中継ぎ実績のある選手なので適宜仕上げてきてくれると思いますが、結構球児はビックマウスなところがあるので、正直今日の投球内容は心配が残りました。
そして、もう一人心配と言えば高橋聡、今日もホームランを被弾し、これで実戦3被弾目です。岩崎が先発調整をしているだけに、左の中継ぎは現状高橋聡に頼らざるを得ない状況。従い、必ず仕上げてきてくれるものと信じていますが、今のところは心配の種が尽きません。
マテオとモレノは球にキレもありよかったのではないでしょうか。
教育リーグの岩崎も上々の結果
オープン戦の裏で教育リーグが行われていましたが、岩崎が5回6安打8奪三振無失点の内容でした。結果だけ見ると上々の結果なのですが、矢野監督からは「もう一声」と辛めのコメントですね。まあいずれにせよ、先発候補としては合格点の投球だったでしょう。
矢野監督は二軍監督になってから、既に一軍戦力として期待している選手には辛めのコメント(横山・竹安・岩崎、等)、逆に一軍で挑戦させたい経験の少ない選手には「どんどんいけ」と鼓舞しているように見えます(高橋遙・福永・谷川等)。
これが矢野監督の方針であれば、ラ米の虎としては大いに賛成です。結局選手が活躍しなければいけないのは一軍であり、いくら二軍で打ったり抑えたりしても一軍で使えなければ意味がない。従い、一軍の争いに入っていってほしい計算したい選手には「圧倒的な内容」を求めているように思います。この2年間1軍コーチを経験したからこそ、何が通用して何が通用しないかは感覚としてしっかり持っているでしょう。金本監督とのラインコミュニケーションもばっちりでしょうから、この人事異動はひょっとすると絶大な効果を発揮るするかもしれません！
最後に
ということで、特に野手陣には収穫が見られなかった王者ソフトバンクとのオープン戦となりましたが、オープン戦は別に負けても何ら問題なく、冒頭に書いた通りまだまだどこの投手も調整中である状況の中で、繰り返しになりますがシーズン中でも打てるかわからないバンデンハーグの投球にこの早い段階から触れられたこと、ここに収穫があったのではないかと思います。
1.5流のお試し投手の球を気持ちよく打ち、オープン戦序盤は好調も、一流投手への慣れが遅れ、徐々に調子を落とし開幕を迎えるより全然ましです！ターゲットがないと人間動けませんので、ここでターゲットを認識できたことは良かったことだと思います！
そして、それをどのように改善していくかはこれから次第。改善しなければ当然開幕1軍には残れませんし、この対応ができる選手がレギュラーへとより近づいていくでしょう。
昨日対応できなかった、中谷・島田・高山・西岡・糸原・梅野の二遊間と捕手のレギュラー候補たち、打たなければいけない球は今日のバンデンハーグの球です！ここを打てないといつまでたっても糸井・福留・鳥谷・上本からは中心選手の座は奪えませんよ！
ということで、今日も引き続きソフトバンクとのオープン戦。相手は武田、こちらは能見ですかね。教育リーグは岩貞なのかな？まあ一朝一夕で打撃が改善するとは思えませんが、何か工夫というか前進しているものを見せてほしいところですね。
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