みなさまいつもご覧いただきありがとうございます。
中日が獲得したF/A大野のプロテクトリストが届いたようですね。日ハムによると「ファイターズとしてインパクトがあるリストでした。検討する価値のあるものと考えています」とのコメントで、これはなかなか面白い選手が漏れているんじゃないかと思います。楽しみですね(笑)
本日は「モレ」つながりで(なんのこっちゃ)、ロサリオの陰に隠れ余り話題になっていませんが、今季フル回転の活躍をし、来年の蓄積疲労が懸念されるドリス・マテオの控え救援投手として獲得したディエゴ・モレノについて記事にしてみたいと思います。
153km/h右腕/ディエゴ・モレノ
ベネズエラ出身の来年31歳の投手で、身長185cm、体重82kgと、大型選手が多い外国人選手にしては普通の体格です。報道では153km/h、高速チェンジアップに特徴のある投手とのこと。早くより獲得が報道されていましたが、年俸5,700万円の一年契約で正式決定となりました。背番号は48。
48は谷川にあげて、99とかがいいんじゃないかなと思っていましたが、まあいいでしょう。
映像を見る限りでは、若干アーム式の投球フォームから力のある直球と落差のある高速チェンジアップを投げ込んでいます。マテオがスライダー、ドリスがSFFと抑え方のパターンの違う投手を揃えるのは面白いかと思います。まあ日本に来る外国人投手はクイック対策等調整箇所が多くあるので、来てみないと評価が難しいですね。
獲得後のコメントとしては、「日本でプレーすることが決まり、大変興奮しております」と報道されましたが、これだとものすごく鼻息が荒い人物のように聞こえますね(笑)。多分”I am very excited`”と言っているだけなので、直訳で「興奮している」という訳し方はそろそろやめた方がよいかと思います。「日本でプレーすることを今からわくわくしてます!」くらいのニュアンスでしょう。
確かにラテンアメリカの人間は陽気なのですが、同じ人間なので基本は我々と同じです。ラテンアメリカ某国に住んでいるラ米の虎としては、こういう訳し方が日本人の外国人に対する偏見を生んでしまうように思います(笑)。
また、ヤンキース時代同僚だった田中マー君をみて「日本を研究している」との報道も出ていましたが、実際は「野球に真摯に取り組んでいる姿が印象的でした」と述べているだけで、この程度で研究していると捉える報道機関もどうかと思います(笑)。
ディエゴ・モレノの球歴
19歳の2006年にピッツバーグ・パイレーツと契約、パイレーツ時代はルーキー級からAA級の間を行き来し、メジャー登板は適いませんでした。
2012年にトレードでニューヨークヤンキースに移籍したものの、肘の故障からトミー・ジョーン手術を受け、そのシーズンは全休となりました。
2014年に漸く開花し始め、キャリア始めてのAAA級に昇格、13試合に登板し、翌2015年はメジャーのスプリングトレーニングに初参加、シーズン中に初のメジャー昇格を果たし、4試合に登板、メジャー初勝利も収めました。
翌2016年はメジャー昇格はなく自由契約となりタンパベイ・レイズとマイナー契約を結びます。2017年には再度メジャー昇格を果たしますが、5試合のみの登板に留まり、シーズン途中インディアンズに移籍、そのままメジャー昇格はならず、活躍の場を求めて阪神タイガースと契約となりました。
ディエゴ・モレノの過去の成績
ということで、モレノのこれまでの米国での成績を見てみたいと思います。
年々数字がよくなっていますね。
WHIPは1イニングあたりどれくらい走者を出すかの指標で、1.00以下だと優秀なのですが、2017はAAA級では圧倒的な成績ですね。
BB/9は9イニングでどれくらい四球を出すかの指標で、3.0だと普通、2.5だと優秀という感じなのですが、過去の成績を見てもコントロールが大きく崩れる投手ではないと言えます。
K/9は9イニングでの奪三振の指標で、6.7だと普通、9.0だと非常に優秀という感じなのですが、これは先発投手の話。救援投手は短いイニングを全力投球するので、通常K/9が高めになり、ドリス・サファテなどは10越えです。ここ二年間は大体9.0に近い数字ですので、圧倒的とまではいかずも、優秀な数字ではあると思います。
モレノは活躍するか?他外国人投手との比較
AAAでのスタッツ上は非常に優秀なモレノ。ですがNPBは大体MLBとAAAの間ぐらいの実力といわれており、この数字を鵜呑みにすることはできません。
ということで、2017年シーズンに在籍した阪神および各球団の主な救援外国人投手との比較をしてみました。成績はNPBに来る前の最終年の数字です。A+やAAで投げている投手もいるのですが、面倒くさいので下位リーグでの成績は集計から除きます。
やはり抑え・セットアッパー級で活躍したマテオ・ジャクソン・パットン・ルーキ・カミネロ辺りはAAAでは奪三振率が圧倒的な成績ですね。
ドリスはある意味、控え+育成目的もあって取ったと思うのですが、さすが久保魔改造博士、日本に来て成長したケースですね。
今年、阪神に在籍したメンデスは奪三振率こそそこまで高くないものの、WHIPは優秀でしたが、結果が出ませんでした。
モレノは奪三振率以外は防御率・WHIP・BB/9ともに、AAA級ではどの選手よりも優秀な成績を残しているのですが、なにせ21登板ではサンプルが少なく、額面通りには取れないですね。
ヤンキースでメジャーデビューした2015年はAAAでも優秀な成績だったのですが、2016年と2014年のWHIPは悪いレベルです。
ということで、比較をしてみると何か見えてくるかなと思いましたが・・・・スタッツ的にはそこそこ活躍しそうだったメンデスが活躍できなかったので、活躍できるかどうかは正直よくわかりません(笑)。散々引っ張ってしょうもない結論ですみません。
ただ、前述の通り、マテオ・ジャクソン・パットン・ルーキ・カミネロ張りの奪三振率を見せている訳ではなく、このレベルでの活躍はちょっと期待しすぎかなとも思います。
一方で、スタッツ上はコントロールはよい投手のように見えるので、大崩れをするようには見えず、ドリス・マテオの控え投手としては十分な活躍をしてくれるのではないかと思っています。
最後に
いずれにせよ、ドリス・マテオの控えから始まると思われるので、日本に慣れさせる時間は十分にあります。外国人魔改造博士の久保コーチが抜けてしまったので一抹の不安はありますが、夏場のリリーフ陣が疲れた時期に使い物になるように、二軍でじっくりと指導をお願いしたいと思います。
というか、この扱いならもっと若く、日本を1年経験してるメンデスじゃ駄目だったのかな?日本に慣れさせるための一手間が省けるような気がするのですが。
本音をいうと、現在の阪神の一番の不安ポイントは先発投手陣、救援投手の控え選手もよいのですが、また先発が崩壊した場合は、マテオかドリスのどちらかを二軍に下げてでも先発を埋められる投手を確保しておいたほうが、チーム運営としてはリスク管理ができるのではないかなと思っていました。
今年先発外国人候補として呂彦青を獲得しましたが、呂は育成目的での獲得です。ドリス・マテオも今年登板過多で、夏場に疲労で崩れることもあったので、阪神のストロングポイントである救援投手陣を来年もしっかりと保守するためには必要な戦力だとは思いますが、中継ぎ陣は敗戦処理枠もないほど充実しています。それよりも先発投手陣が不安。
球団からは今年の補強は終了と報道されており、来年は現在の67名で戦うことになると思いますが、来年より飛躍するためには、藤浪・岩貞の復活と山ほどいるプロスペクトの先発候補に成長してもらう必要があります。
キャンプからオープン戦にかけて、先発投手陣の見極めをしていくと思いますが、今年の繰り返しにならないように、後3枠支配下登録枠は空いていますので、シーズン途中の先発外国人投手の補強を見据え、引き続き調査は継続していってほしいと思います。
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