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契約更改が続々と進んでいますね。今年活躍した選手はウハウハの契約更改となっていますね。大きく昇給した主な選手は以下のとおり(金額は全て推定)。
- 秋山 (1,100万円→4,100万円)
- 岩崎 (2,500万円→4,500万円)
- 高橋聡 (5,000万円→7,000万円)
- 梅野 (1,350万円→2,500万円)
- 大山 (1,500万円→2,500万円)
- 中谷 (1,200万円→3,800万円)
- 俊介 (2,400万円→5,000万円)
高橋聡は既に去年から一流の成績を残していたものの、秋山・岩崎・梅野・中谷・俊介の伸び悩み組みは今期結果を残したことで大いに自信になったことでしょう。
但し、まだ活躍一年目、高山・北條・原口・岩貞と去年のブレーク組みは総じて成績を落としており、同じ轍を踏まないように大いにオフシーズンを活用して努力をしてほしいと思います。
北條と岩貞は筋肉つけすぎてキレを落とさないように自分に合った体をしっかりと作ってほしいと思います。
未更改の選手で言うと、能見・岩田・藤川・桑原・糸井・福留・西岡のベテラン組みですね。桑原がどれくらい上がるのかが見物ですね!予想はずばり4,500万円!
各選手が妥当だなという契約更改を進めている中で唯一気になったのが上本。推定3,300万円から1,000万円アップの4,300万円で契約更改とのこと。ラ米の虎的には今期の打者MVPといっても過言ではない活躍をしたにも拘らず、非常に上げ幅が少ないな、という印象です。
まあ、年俸は飽くまで推定ですので、もっともらっていたり、元のベースが間違えていたりということはありえるのでしょうが、どうも上本は球団および首脳陣からの評価が低い気がするんですよね。
ということで、本日は今シーズンの成績も踏まえ、上本をラ米の虎なりに再評価してみたいと思います。
上本博紀の略歴
上本は2008年ドラフト3位で早稲田大学より入団。広陵高校時代からその才能は大きく評価されており、名将の中井監督からも「野球の天才」との評価を受けていました。早稲田大学でも1年からレギュラーで出場し全104試合をフルイニング出場、ベストナイン5回受賞、主将も務めました。
当時からドラフト上位での指名が噂されていましたが、ドラフト年の大学4年時に成績を落としたこともあり、評価が下がりドラフト3位での指名となりました。
プロ入り後の2009年は当時鳥谷・平野という大選手の全盛期であり、控えにも藤本・関本と非常に充実した二遊間のメンバーが揃っていたこともあり、一軍出場はありませんでした。
出番が回ってきたのは翌年の2010年。ヤクルト戦に代走で出場し、二盗を試みた際に相手捕手の悪送球があり一気に本塁まで生還、結局これが決勝点となり初出場でお立ち台に上がるという快挙を達成。確か翌日も活躍し二夜連続ヒーローインタビューだったと記憶しています。
その後も平野の怪我の際に出場し猛打賞を記録するなどいよいよ天才上本の才能が開花するかと思われましたが、翌年からは怪我との戦いが続きました。
2012年は左肘の靭帯、2013年はWBC日本代表との強化試合で慣れない遊撃の守備から飛球を追ったところ、中堅/伊藤隼と交錯し(練習しろ!)左足首靭帯損傷、2014年は怪我の西岡に代わりスタメン出場するも死球を受け親指骨折、2015年はダイビングキャッチの際に腰を骨折、そして2016年は不振で二軍生活と、とにかくここからというときに怪我での離脱が多い。
結局2016年までの7年間のプロ野球生活において、規定打席を達成したのは2014年、2015年のみ、通算安打は360と期待されながらも怪我で思ったような結果が残せていませんでした。それにしてもこんなに通算安打が少ないとは思いませんでした・・・・
上本博紀のスペック
上本の選手としてのスペックを見てみると、次のとおり。
【打撃】
- ボールスイング率が極めて低く、またファールで粘ることも非常に得意。一打席あたりに相手投手に投げさせる球数はリーグトップクラス。従い、四球をよく選び、出塁率も非常に高い。
- バントはうまいが、まじめな性格からか余りチームバッティングに徹しさせすぎると打撃を崩す面あり。2017年になり改善。
- 基本的にはプルヒッター。173cm/65kgとプロ野球選手にしては非常に小柄にも関わらず、謎の長打力がある。2014年の前田健太からのホームランは震えました。。。
- 大和同様課題は体力。余り試合に出し続けすぎると、目に見えるようにやせ細った感じで疲労感満載になり、セカンドフライが増え始めると非常に危険な兆候。なので、シーズン中の打撃の波が大きい。
【守備】
- 守備範囲は広く、ファインプレーも多いが、正面の凡ゴロをエラーしたり、短い距離の送球を暴投したり、とにかくポカが多い。しかも結構大事なところで。
- ドーナッツ型守備と呼ばれており、集中力の問題だかなんだか分からないが、長年課題を解決できておらず、もはやこういうものだと思ったほうがよい。従い、終盤の大事な場面では守備固めを出したほうが無難。
【走塁】
- 盗塁、ベースランニングとも非常にセンスが高い。特に2017年は盗塁企画17回において失敗1と非常に傑出した成績を残しており、ラ米の虎的には糸井とともに、もっと走らせてほしい。
という感じの選手なのですが、その類い稀なる野球センスからいつか一流選手の仲間入りをし、大和とともにアライバばりの二遊間、1/2番コンビを形成してくれることを長年待ち侘びていました。
だがしかし、度重なる怪我により中々前に進めず、2016年には若手優先起用の流れ、中堅選手の干され方を見るに今年31になる上本はこのまま終わっていくのかなと密かに悲しんでいましたが、2017年ついにその殻を破る活躍をみせてくれました。
上本博紀/2017年成績
2017年はキャンプ・オープン戦から好調で、開幕スタメンの座をしとめました。開幕直後から好調を維持し、非常に高い出塁率とねばねばの打撃で歩いてまえ打線を引っ張ってくれました。
一方で、守備面は終盤の大事な場面で失策や記録に現れないミスを何度も犯し、終盤大和を守備固めに出されるという状況が続きました。そして、5月5日の広島戦、ファインプレーの際に足首を捻ってしまい、担架で運ばれていきました。
それまで打率3割、出塁率.391で安定した成績を残していただけに、今年もやっぱりいいところで怪我で離脱かと非常に嘆いていましたが、幸いの軽症で抹消なしで復帰しました。
その後も安定した成績を残していたものの、怪我をした右足首の影響と夏バテの影響か7月の終わりころから調子が落ち始め、8月に至っては月間打率.148と目も当てられない成績に、スタメンを外れる機会も増えました。
今年も体力が持たなかったかなと思った矢先の9月、涼しくなったからかなんだか分かりませんが、突然鬼のように打ち出し、月間打率は.435、出塁率は実に.521とC/松山に持ってかれはしましたが、月間MVPばりの活躍をみせました。
その後のCSでも調子を継続しシーズンを終え、最終成績は以下のとおり、2014年に並ぶキャリアハイの成績を残しました。
特筆すべきは、失策が5だったところ。例年100試合以上出ると二桁は必ず失策していたのですが、今年は僅か5。もちろんドーナッツ型守備は直っておらず、特に開幕直後は記録に現れないミスも多かったのですが、後半はかなり安定していたと思います。
盗塁失敗も1のみと、走れる選手として非常によい成績を残してくれました。
また、課題であった二番におくとチーム打撃を考えすぎて打撃が狂うという部分も、今年はかなり改善されたと思います。
なんといっても、記憶に残ったのがG/畠から頭死球を受けた翌日の10月1日、前日ノックアウトされたことでリリーフ登板した畠から「俺は全然大丈夫だから」といわんばかりの、男気特大ホームラン。畠にも「うまくよけられなくて、ゴメンな」と声をかけたらしく、本当に小さな体ながら男気に溢れる選手です。(っていうか本当によけるの下手。。。)
正直今年は菊池よりも出塁率も打率もよかったのでベストナインも狙えるかなと思っていたのですが、優勝補正で菊池に持っていかれましたね。それにしても1票はひどいかと。。。。(鳥谷が何故かGGもらえたのでいってこいですが)
上本の必要性
昨年の不振から見事キャリアハイを残してくれた上本なのですが、数字だけみてしまうと3割には到達しておらず、二桁本塁打を打っているわけでもなく平凡といってしまえばそれまでです。現にベストナインにも一票しか入っていません。
しかしながら、現在の阪神打線にとって、数字に表れない部分を含め上本の存在は極めて重要であるとラ米の虎は評価しています。
出塁能力と打席での粘り
まず第一に球の見極めが非常によく、相手投手に球数を投げさせるネバネバが誰よりもできること。今の阪神打線は歩いてまえ打線と称されたとおり、四球を取れる打者が非常に多い。
阪神のチームIsoDはリーグ1の.078、レギュラー陣を見ても鳥谷.097、福留.110、糸井.091と球の見極めがよい打者が並びます。準レギュラーでも中谷.067、梅野.067、北條.076、大山.072、糸原.103、坂本.093、原口.095と非常に優秀。IsoDが比較的低いのは高山.050、大和.051、俊介.031くらいですかね。
上本は.082で鳥谷・福留・糸井と比べると見劣りしてしまうのですが、この3人の場合は選球眼がよいとともに勝負を避けられる場面も多くこの結果になっているかと思います。この3人と比べても上本が優秀だなと思うのは兎に角粘る粘る。鳥谷・福留・糸井はどちらかというとポイントゲッターの役割、出塁率は高いものの基本は好球必打でランナーを還してほしいポジションであり、結構狙い玉が外れ見逃しや空振り三振に終わるシーンも多かったと思います。
一方で、上本の役割は二番打者として塁に出ること。クリーンアップの前であれだけ粘られて球数を投げさせられるのは相手投手にとってはたまったものではないと思います。同じリードオフマンタイプの大和と決定的に違うところはこの点でしょう。
走塁能力
このネバネバという観点では糸原もよいものを持っていると思うのですが、二点目の評価ポイントは足が使えるところ。抜群の走塁センスを持っており、盗塁成功率が示すとおり二番打者として出塁した際に足を使ってのプレッシャーをかけられる。
2003年の赤星-金本の並びが非常にいやらしかったように、上本-糸井、上本-福留の並びは相手にとってみて非常に厄介だと思います。さらに一番に走れる打者がいればネバネバが延々と繰り返され非常に厄介な打線になると思います。これが、やはり大和にはない点であり、盗塁能力が今のところあるとは思えない糸原にも期待できないところ。この観点では植田が期待できる選手なのですが、攻走守ともにまだまだでしょう。
勝負強さ
謎の長打力もそうなんですが、上本は勝負強くいい所で打つ印象が非常に強いです。なんというか「もっている」選手であるとラ米の虎的には思っています。昨今二番打者はマギーやペゲーロ等強打者を置くケースが多いですが、阪神においてはクリーンアップの構成もままならない中、そんなことをやってる余裕はありません。
一方で二番打者が二番打者なのは初回だけ、終盤代打攻勢をかけ上位打線に回ってきた際に大和や今成だったら残念ながら期待がしぼんでしまうというものです。この打席がいい所で回ってきたときの期待感、これがラ米の虎が上本を最も評価している点です。
この出塁・ネバネバ能力、走塁能力、勝負強さは他の阪神のどの二塁手候補や一/二番候補の選手をみても、全てが揃っている選手はチームにはいません。現在の金本体制では長打を打てる軸となる選手を絶賛育成中ですが、打線は線なのでこのタイプの選手がラインアップにいることは戦術上極めて重要だとラ米の虎は思っています。
2010年の大砲を並べた超強力打線が終盤機能しなかったように、長嶋巨人時代のF/A・外国人強奪まみれの四番打者打線が機能しなかったように、大砲だけならべても相手からしてみれば組み易しです。
1.5流の投手相手であれば失投もあるので大砲打線でもいいのですが、優勝を狙うためには1流投手を打ち崩す必要がある。その為にはただ打者対投手の力対力の勝負だけではなく、チーム全体として足を使ったり、球数を投げさせたりと面でプレッシャーをかけていく必要がある。これが現在の広島が強い理由であり、横浜がいくらよいクリーンアップが揃っていても3位止まりになってしまっている理由でしょう。
この観点から、上本は理想的な二番打者であり阪神打線が打線となる為には、必要不可欠な存在であるとラ米の虎は評価しています。
もちろん、上本が完璧かというと怪我が多い、体力がない、守備でポカをすると、フル出場した場合にパフォーマンスを維持できる選手ではないと思います。
しかしながら、それでよいと思っています。なぜなら上本はもう来年32歳、そろそろ後任も育てていく必要があります。それは糸原、植田、熊谷あたりでしょう。
なので、契約更改の際に「守備固めを出されるのはどう思う」と訳の分からん質問をされたようですが、上本のパフォーマンスを維持するためにも後任を育てるためにも、守備固めの機会や休養試合を作ることがチームにとって一番よい選択だと思っています。
もちろん本人には、契約更改時のコメント通り最後まで試合に出れる守備力を培ってほしいと思います。
来年F/A権取得の上本の年俸ランキングは?
ということで、チームにとって欠かせない存在だとラ米の虎が評価している上本ですが、推定年俸4,300万円だとすると、ランキングはどうなるでしょうか。以下現在までの契約更改を反映した年俸ランキングです。
1.鳥谷: 4億円
2.糸井: 2.8億円(未更改)
3.福留: 2.3億円(未更改)
4.藤川: 2億円(未更改)
5.能見: 1.6億円(未更改)
6.藤浪: 1.2億円
7.西岡: 9千万円(未更改)
8.高橋: 7千万円
9.岩田: 5.3千万円
10.俊介: 5千万円
11.岩崎: 4.5千万円
12.上本: 4.3千万円
未更改のベテラン選手がいますが、糸井・福留・藤川・能見は上本レベルまで大きく落とすことはないでしょう。西岡は結構下がるかもしれませんが、上本以下までいくかは微妙です。岩田は下げられると思いますが、そこそこローテは守ってくれたので、無茶苦茶下がるかはこちらも微妙です。後は、桑原がどこまで上がるかですね。
ということで、報道されている推定年俸を信じれば現状上本はCランクということになります。勿論推定年俸ですので、俊介や岩崎より上の可能性はあります。というか、Bランクであってほしい。
ここで強く述べているとおり、上本はチームには欠かせない選手、仮に今年の活躍を評価せず、本当に1千万円程度しか年俸を上げず、CランクでF/Aで出て行かれるということになれば、ラ米の虎は本当にフロントを許しません(別に許していらないって?)。
気になるのが、年俸だけではなく上本はちゃんと評価されているのか疑念を抱かされる発言が、首脳陣・フロントからも出ていること。
金本監督は来年のスタメン確約をすでに明言していますが、福留・糸井・鳥谷の三名。糸井はよいとして、福留、鳥谷は本当にスタメン確約の成績ですか?彼らこそ高山・中谷・大山と併用すべき選手なのでは?そして、この中に上本の名前が入っていません。
怪我の離脱や不調時期はありましたがそれは糸井も福留も同様。弱点が露になった中谷は若いからいいとして、規定打席到達してキャリアハイを達成した選手の名前を出さないのはどういうつもりなのか、意図が分かりません。ていうかそもそも確約とか言うな。
谷本本部長からも「守備固めを送られるのはどういう気持ちですか?」と評価が下がっているとも取られる発言をぶつけられたと報道されており、こちらも本当だとしたらどういうつもりで言っているのかセンスが分かりません。
最後に
ということで、ラ米の虎は上本を野球選手として高く評価していますし、来年の打線からも絶対に外せない存在だと思っています。もちろん、休養は必要な選手なのでその枠で糸原・植田・北條・大山・熊谷あたりには結果を出し成長してほしいですが、野球センスは他の選手と比べてもかなり高いとラ米の虎は評価しています。
今年の大和の流出はやはり球団からの低評価によるもの。大砲選手の育成もよいですが、リードオフマンタイプの選手も実は全然育っていません。今年、打撃面、守備面、走塁面全てにおいて改善を果たした上本、来年は更なる躍進を遂げてくれるものと信じていますが、球団、首脳陣もしっかりと上本のことを評価してほしいと切に願っています。
繰り返しになりますが、来年大山を使いたいが上に干したり、フロントの低評価のせいで大和同様流出となれば現場とフロントの責任は重たいです。絶対に大和の繰り返しにならないよう、エコ贔屓する必要はないですが、このタイプの選手に対してもしっかりとした評価をしてあげてほしいと思います。
本日も長文ご覧頂きありがとうございました。
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