阪神タイガースブログ ラテンアメリカの虎

ラテンアメリカ某国在住、虎キチ歴35年。梅雨時期には来年のことを考え始める癖が抜けない弱気な阪神ファンのブログです

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17年ぶり最下位・・・金本監督続投の是非

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ついに、最下位が決定しました。17年ぶりですか。。。野村監督の最終年でしたね。どんな年だったかというと、

  • オープン戦から大爆発の期待の大砲クルーズが不発。代わりに戦力外の広沢がスタメン入り
  • 三塁手ペレス・エバンスも大外れ
  • 新人から活躍した坪井がまさかの大不振
  • ドラフト6位ルーキー沖原が開幕スタメン
  • 開幕投手星野が1勝、エース藪まさかの0勝、同じく川尻1勝
  • 中継ぎ陣は抑え成本、セットアッパー伊藤・遠山の戦力外再生組に頼る状況

と、まあ助っ人が活躍せず、計算したいベテラン3人が2勝、唯一打者で計算できた坪井が不振、他球団戦力外選手におんぶだっことあって、まあ最下位でも仕方がない感じでしたね。

一方で悪いことばかりではなく、

  • 後の大エース井川がローテーション入り
  • 赤星盗塁王・新人王獲得
  • 浜中一軍定着/二桁本塁打
  • 今岡調子を徐々に取り戻す
  • 檜山打撃スタイル改造により3割達成
  • 藤本、沖原遊撃手で戦力化

 

と、それまで正捕手として活躍していた矢野に加え、後の2003年の優勝メンバーの芽が出始めた年でもありました。それから二年後、大幅な血の入れ替えを断行し、金本、片岡のF/A組、伊良部、下柳、野口、中村豊の復帰/移籍組に加え、アリアス、ウィリアムス、ムーア、リガンの助っ人にも恵まれ、安藤・久保田・吉野ら若手の活躍もあり、見事18年ぶりの優勝を果たしたのは記憶に新しいと思います(もう15年前か・・・)。

特に打者の成長には目を見張るものがありますね。とにかく、星野政権では過去の負け癖のついている選手を一掃し、外部戦力に引っ張られる形で若手の成長を促し、2年で全く別のチームへと作り変えたのです。

 

さて、その2001年以来の最下位となってしまったタイガース。今年は怪我人・不調続出、天候にも恵まれず、判定も意見書を数回提出するなど、運にも恵まれませんでした。巨人・中日・横浜の優勝とAクラスを逃した監督が続々と辞任を表明する中、なんで最下位の金本が辞任せーへんねん!と怒号の声がネット上で飛び交っております。しかしながら、ファンの皆さんには、もう一度金本監督が監督を引き受けた経緯を思い出してほしく思います。

阪神は2003年優勝以降、FAや大リーグ帰りの選手を多く獲得し、Aクラス常連チームとなりましたが、いつも後一歩で優勝に届かない、そしてどんどん補強を繰り返しながら10年以上の時が経ったものの、若手・中堅選手が全然育っていない、このままではチームはどんどん弱体化してしまう、いわゆる茹で蛙的な状況の中で、まだまだAクラスを戦う戦力はあったものの、一度チームを解体し、3年連続最下位でもよいから若手を育て新しいチームを作ってほしい、こう言われて金本は監督を引き受けたのです。

昨年、貯金19で広島があそこまで独走しなければ優勝もありえた成績を残し、またキャンプ時点で3年間で一番強いと豪語してしまったせいで、今年は多くのファンが優勝を期待していたものの、今の体たらく、特に甲子園で二桁借金を背負ってしまっては不満が爆発してもおかしくない状況です。

しかしながら、金本監督を招聘した目的である若手選手の育成、これは一進一退あるものの確実に芽が出てきていると思います。

 

ということで、振り返りのために2005年の優勝以降、12年間で金本監督以前と以降でどれくらいの生え抜きの選手が戦力となったか、検証してみたいと思います。定義はそれぞれの政権時に育成に成功した選手ですので、2005年以前のドラフト獲得選手も含まれています。

金本政権以前

主力:先発ローテ、セットアッパー、スタメン級

  • 投手(4名):能見(04年1位)、岩田(05年大社1位)、榎田(10年1位)、藤浪(12年1位)
  • 野手(2名):大和(05年高1位)、上本(08年3位)

戦力化:谷間先発、敗戦処理中継ぎ、控え野手

  • 投手(11名):筒井(03年2位)、渡辺(大社05年4位)、鶴(05年高1位)、上園(大社06年3位)、西村(08年4位)、秋山(09年4位)、岩本(10年4位)、歳内(11年2位)、松田(11年5位)、金田(12年5位)、岩崎(13年6位)
  • 野手(7名):林(02年6位)、桜井(01年3位)、小宮山(03年5位)、柴田(08年2位)、俊介(09年5位)、梅野(13年4位)、江越(14年3位)

酷いにもほどがありますね。。。投手は能見・岩田は主力となるまで時間がかかっており、榎田は2年目まで、まともに主力化したのは藤浪のみ。野手は大和と上本ですが、こちらもデビューまで時間がかかっている且つ、絶対的レギュラーというわけでもなく主力というのは非常に甘い判定です。見てみれば明らかなとおり、クリーンアップを打つ主軸に関しては2006年から2015年までの間で、林と桜井は怪我が悔やまれたものの一人として育てられていません。

考えてみればよくこれで優勝争いなどしてたなという感じですが、2005年の優勝時のメンツの余力が残っていたのと、彼らが衰えた場合には数々の外様選手や外国人選手でどうにかまかなっていたということでしょう。

  • 投手:久保、アッチソン、スタンリッジ、メッセンジャー、呉
  • 野手:城島、西岡、福留、平野、新井兄弟、ブラゼル、ゴメス、マートン

特に主軸の選手を外様と外国人選手にずっと頼ってきたというのが明白です。

戦力化された選手に関しても、長期間活躍したのは野手では俊介、梅野、投手では渡辺、岩崎、筒井くらいなもので、殆どが怪我や育成不調で主力になりきっていません。

2006年から2015年の10年間のシーズンで56人(育成除く)ものドラフト選手を獲得したにも関わらず、主力となったのが甘く見て6名だけというのは、如何に育成が軽視されていたか明確です。問題としては、即戦力投手重視のドラフト方針、一軍に上げても殆ど打席機会、投球機会を与えず二軍に落としてしまう起用方針、縁故採用でずっと居座り続けるコーチ陣、等々色々あり、育つものも育たなかった状況にあったということ。

確かに当時は赤星、金本、鳥谷、矢野、西岡、城島、新井、井川、久保田、藤川、下柳、安藤、福原、等、超主力級の選手が揃っていたので、優勝争いの中で若手の起用に躊躇する理由も判らないでもないですが、2003年の貯金を食いつぶしつつ、外から補充を行っていては、当然未来のないチームになるのは仕方がないでしょう。ここ数年低迷している中日、巨人も同じような状況ですね。

 

ここにメスを入れようとしているのが金本監督。同様にここ3年間で主力化、戦力化した選手を見てみると以下のとおり。

主力化:先発ローテ、セットアッパー、スタメン級

  • 投手(5名):秋山(09年4位)、岩貞(13年1位)、岩崎(13年6位)、小野(16年2位)、才木(16年3位)
  • 野手(4名):北條(12年2位)、糸原 (16年5位)、大山(16年1位)、梅野(13年4位)

 

戦力化:谷間先発、敗戦処理中継ぎ、控え野手

  • 投手(4名):望月(15年4位)、青柳(15年5位)、石崎(14年2位)、伊藤和(11年4位)
  • 野手(7名):中谷(10年3位)、高山(15年1位)、植田(14年5位)、原口 (09年6位)、陽川(13年4位)、坂本(15年2位)、伊藤隼(11年1位)

主力化に関してはかなり甘い採点ではありますが、たったの3年でこれだけの選手を起用、成長させ、ある程度成果が出ており、過去の10年と比較してみれば如何に育成に力を入れているかが見て取れるかと思います。

藤浪の不調、高山・北條・原口・中谷・大山の2年目のジンクスもあり、また、近年、C/鈴木誠、S/山田などすばらしい成長カーブを描いている選手が昨今出てきているので、比較してしまうと物足りないかもしれませんが、特に長距離打者は活躍しはじめるまでに時間がかかるもので、今リーグを代表する野手のH/柳田・松田、L/秋山、山川、C/松山、D/平田、Bs/宮崎など主軸としての成績を残すまでは何度もスランプを味わっており、そうそう簡単には育ちません。中谷、高山に関しては悲観的な意見も多いですが、まだまだ判断するには時期尚早ということでしょう。その観点では大山はすばらしい成長カーブを描いていますね。

結局、特にチームのエース、クリーンアップとして活躍してほしい藤浪、高山が現在苦しんでいるだけに、育成手腕に関してもなかなか批判的な意見が多く見られますが、過去と比較してみても金本監督は勝利を目指しつつチームを作り変えるという難題をきっちりと遂行しており(最下位だけど)、ラ米の虎としては中々の育成手腕を発揮しているのではないかと思います。

 

一方で、今シーズンの戦い方、そして甲子園での勝率を考えると、育成を進めているからといって看過されるような状況ではありません。特に、昨年はよくなったと思われた采配面、指導面に関して大きく不満を残す結果となりました。

  • シーズン序盤全く盗塁/エンドランをしかけず、打者任せの采配
  • みえみえのセーフティスクイズを連発
  • 中盤勝負所で代打の切り札の原口を出さない
  • 中継ぎの入れ替えを殆ど行わず、岩崎、望月などは過剰登板状態
  • ランナー1/3塁で盗塁を仕掛けられる場面でも走らない
  • 終盤植田を代走に出しても仕掛けない
  • 相変わらず低出塁率の選手(高山とか)をリードオフマンに置く

 

などなど、特に攻撃面において非常に消極的な采配が目立ちました。そもそも信頼できる打者が少なく、得点力が低いせいで、どうにか粘ってバットに当てさせたり、ランナーを大事にしようとして仕掛けないということで、相手にとってみればさらに組し易い状況になり、得点に結びつかないと正に悪循環に陥っていたように思います。

正直、終盤戦のこの弱さはまさに暗黒時代に匹敵するものであり、個々の選手の実力はさはさることながら、チームの雰囲気として今年のテーマであった執念が全く見えず、打者はチャンスで打てない、投手は勝負所で粘りきれない、守備でも致命的なミスを連発と、甲子園の雰囲気やプレッシャーに飲まれているのかわかりませんが、チーム全体としての雰囲気は最悪といってよいでしょう。

監督を引き受けてもらった経緯から言っても、来年続投に関しては妥当だと思いますし、3年間我慢してやってきたことを0から始めるというのは元の木阿弥というやつです。

しかしながら、このまま今の状態を続けていくと、福留・糸井・鳥谷・藤川・能見の衰えとともに、確実に負け犬根性が染み付いていくと思います。

従い、この状況を打破するためには、まず組閣から超変革の必要があるでしょう。まずは攻撃・作戦面にメスですね。報道では元中日/西武和田氏の招聘および矢野二軍監督のヘッドコーチ昇格、片岡コーチの二軍監督への配置転換、そして現コーチは全員継続ということが基本線になると出ていますが、正直生ぬるいでしょう。

育成路線として金本監督を続投させるのであれば、作戦面で補佐できる、懐刀としてきちっとものの言える、優秀な参謀の招聘これが絶対に必要ではないかと思います。矢野二軍監督もものを言うほうかと思いますが、これでは余りにも変化に乏しい。さらに、二軍をいい雰囲気にもっていき、優勝に導いた矢野監督を一年で配置転換というのは余りにももったいないし、泥縄すぎる。だれがよいかといわれるとなかなか名前が出てこないのですが、監督に対しても、選手に対しても厳しく接しられる、参謀型の好々爺はいませんかね・・

まあ、これも全てフロントが金本監督に全権委任してしまっている軋轢であります。全部任せると言った以上、金本監督の意思に従うしかないでしょうし、金本監督としても自分が招聘した戦友でもあるコーチは切りにくいでしょう。

全権委任というか独裁政権はうまくいけばものすごい爆発力を生むものでもありますが、失敗したときは今回のように組織設計がスタックしてしまいます。問題の根源は首脳陣よりもフロントにあると言っていいでしょう。

やはり野球が分かっていて、球界に顔が広い敏腕GMの招聘を行い、チームの経営(フロント)と執行(監督以下)の分離をしっかりと行うというのが、チーム再建の近道な気がしています。高田GMが横浜GMを退任するようですが、こないかな・・・・。

 

ということで、長くなりましたが今日は金本監督続投に関するラ米の虎の意見でした。これからストーブリーグが始まりますので、来シーズンに向けた補強に関しても、ドラフト、F/A、新外国人と書いていきたいと思います。

シーズンオフの方が筆が進むなぁ(笑)

 

 

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