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開幕もいよいよ二日後に迫ってまいりました。といいつつも、オープン戦首位で岡本・吉川の若手が結果を残しルンルン気分で開幕を迎えられる巨人と、オープン戦最下位で野手陣は心配だらけの阪神、相手の開幕投手は日本のエース菅野、その後も阪神キラーの田口・野上が続くとなって、早くも梅雨を待たずに来年のことを考えてしまいたくなるラ米のトラです。
こちらの先発は金曜/メッセンジャー、日曜/秋山までは決まっているようですが、土曜日が藤浪なのか能見なのかで報道が分かれていますね。
藤浪とした場合、巨人は左打者が殆どいないので、右投手3枚というところは納得感があるものの、得意の横浜戦で一発目を投げられないというデメリットもあります。
能見とした場合は、右の強打者が揃った巨人に内角直球がうまくはまればよいですが、前回のようにストライクを取ってもらえなければ途端に炎上する恐れもあります。
いずれにせよ、問題は4カード目の広島戦。4月3日(火)になぜか試合がないので、早くも4月10日(火)が谷間投手の登板となってしまいます。ここに広島大苦手の岩貞をもってくるのは非常にしんどい、かといって高橋遥や才木に去年の福永のような気分を味合わせるのもいかがなもんかと。非常に悩ましいところではあります。
メッセ・小野・藤浪を全員中5日にしてしまえば、広島戦はこの3人でいけるんですけどね。はじめから飛ばしすぎはよくないでしょう。
ということで、昨日に引き続き、ここまでのシーズン前の総括と今年の戦力分析/野手編をしてみたいと思います。
野手陣
野手戦力構成 (開幕前)
結局のところ暫定レギュラーの選手はなんとなく決まったものの、オープン戦期間通じての打撃不振のせいで、確定メンバーが殆ど出てこず、ベテランの糸井・福留と新外国人で結果は出てないものの取り合えず入れないと仕方のないロサリオしか確定となりませんでした。なんとも寂しい結果です。
開幕一軍メンバー
開幕スタメン予想は以下のとおり。キャンプ前から比較してみると、鳥谷のコンバートに伴い大山が三塁に、糸原と高山が打撃で北條と中谷に勝った形になっています。
但し、これはあくまで開幕スタメンの話。上記表のとおり、糸井・福留・ロサリオ以外は暫定レギュラーであり、金本監督も柔軟な運用を明言しており、このキャンプ前後のスタメンの場面や他のラインナップもいくらでも考えられるため、もはやスタメン予想などする意味がなさそうです。。。ただ、このスタメン後述しますが守備・走塁が悪化してるのが問題点です。
開幕直後は2カード目の先発投手を登録する必要がない為、ベンチ入り選手25名を有効に使えるため、ここにあげた野手15名と先発+リリーフの8名に加え、後2名ベンチ入りさせることができます。金本監督が明言しているとおり、一人は代走枠で島田か植田のどちらか、もう一人はリリーフを一人増やすか(松田・谷川・伊藤和・島本の中から一人)、中谷・陽川・北條のうちの一人ですかね。ずっと一軍帯同しているところをみると陽川かな。左の代打がいないので、二軍で好調の板山も面白いと思うんですけどね!
メッセを中5日で横浜戦で投げさせるのであれば、始めの2カードは上記の開幕特別枠を抹消する必要がないので、ここで枠を有効利用し一軍帯同の追試という形ですかね。
打撃
この打撃不振をどう捕らえるか
いやね、自分としては今年は打線もいけると信じていたんですよ。そして、いかに3月の頭から打線が不調だったとしても、時期的な問題等々理由をつけて、悲観するのは早い、最終週になれば必ず上がってくると、いかに色々な方から「もう我慢ならん」という声を頂いても、まあもう少し待ちましょうとブログで語り、自分に言い聞かせ、そして打線が復調した際には「ほれみたことか」と自慢気に言いたかったんですよ(笑)。
しかしながら、結局上がりませんでした・・・上のスタメンに上げた選手の打率は、
鳥谷(.067)・糸原(.283)・糸井(.250)・ロサリオ(.143)・福留(.136)・大山(.208)・高山(.226)・梅野(.227)
とどうにか糸原が一人でがんばってた感じで、他はひどいという言葉一つでは片付けられない成績。
チーム打率は.225なのですが、結果を出していたのが山崎.583、伊藤隼.500、上本.409の控えの3名でした。
ではこれをどう捕らえるか。
まず第一にいえることは、みんなこの打率に終わるはずないでしょということ。いかに鳥谷が調子悪かろうと、.250は絶対に打ちます。逆に言えることは山崎が5割も打つことはないということ。なのでオープン戦の打率はもう忘れましょう。
では、なんでここまで打撃不振が続いてしまったのか。いくつかに分けて考えてみました。
ベテラン選手
レギュラー確約でアピールの必要のない糸井・福留・鳥谷ですね。鳥谷がレギュラー確約でよいかどうかは別として。実績十分の選手ですので、開幕に合わせて自己流の調整ができればよい。特にオープン戦から打ちまくって、自信をつける必要などなく、相手の投球と自分の体の感覚の確認ができればよいので、凡退自体は特に意味をなしません。
現に糸井はしっかりとした打球を飛ばしており、福留もフェンス際でアウトにはなるものの質のよい打球を飛ばしているので打率は低いものの、心配ないかと思います。
一方で、心配なのは鳥谷ですね。凡退の仕方が引っ掛けた内野ゴロばかり。金本監督も状態が上がってこないといっています。鳥谷の最大の特徴は選球眼にあるのですが、昨年は後ろが下位打線だったこともあり、ボール球でもオッケーの攻め方をされていたと思うのですが、今年は上位打線、ストライクゾーンで勝負にこられます。その際に一発で仕留められたり、狙い球じゃなかったときにファールで粘れたりしないと、リードオフマンとしては非常に心許ない。
最後の三連戦くらい上がり目を見せて欲しかったのですが、初回に引っ掛けたピッチャーゴロで併殺になるなど、非常に印象の悪いオープン戦の終わり方でした。
ラ米の虎一押しの上本という素晴らしいリードオフマンがいるので、きちんと競争はさせてほしかったのですが、守備面で上本・糸原は怖いのは確かなので金本監督がどのような采配を見せるか見ものです。
また、鳥谷がオープン戦で打たなかったのは今に始まったことではないので、開幕後はちゃっかりと仕上げてくるとは思いますが、ダメであれば上本にスイッチすればよいだけの話です。その場合守備固めが二枚必要になることは留意が必要です。
まあ、鳥谷を遊撃から下ろしたのも金本、三塁でゴールデングラブ取ったのにまたコンバートしたのも金本、贔屓使いすることはないと思っています。
金本監督に関して、結構好きな選手を使うというご意見も多いのですが、好きな(贔屓している)選手というよりは自分の理念に合った選手を使う、ということではないかと思います。
要は強く振れる選手、ストレートに力負けのしない選手、これが金本監督が打者を選ぶ際に最優先していることで、これをできる打者をチームの中心としてまずは育てていきたい。これが糸原と大山であり、彼らに関しては辛抱強く使うんじゃないでしょうかね。
その軋轢が二塁にきたということなんですが、監督としては当然理念をもって采配を振るうべきであり、ダメならクビというだけのこと。短期的に見てしまえば、鳥谷/三塁、上本/二塁は動かさないでしょうし、大和の引止めにはもっと力入れてましたよ。もっと言えば、高山、大山のドラフト1位などあり得なかった。
でもそれではチームが変わらないので、若手を育てながら勝つ、という大変な仕事を引き受けているわけです。これは3年前超変革で金本監督を歓迎したときから分かり切っていることです。人によって好き嫌いはあると思いますし、海外帰り・F/Aに頼ったチーム作りが好きな人もいるかもしれませんが、広島・横浜と育成に力を入れるチームが結果を出し、阪神・巨人・中日と補強に頼ったチームが傾いている中、自分としては金本監督の大きな方向性には基本的に賛成です。細かい采配には色々と文句ありますけどね。
正直守備の悪い糸原と実績のない大山に掛けるというのは監督にとっても大変なリスクと責任を背負うことになるのですが、このリスクを恐れずに自分の信じた道を進んで行っており、フロントも任せているということなので、ファンとしても金本監督に掛けたのだから信じて応援しようと思います。
ロサリオ
ベテラン選手と異なり実力はあるものの日本野球での経験が皆無のロサリオ、オープン戦最後の方で右方向に安打が出始めましたが、キャンプ前にチェックポイントとしていた、オープン戦終盤での調子の向上は結局十分には見られませんでした。ここが多くのファンが心配している事態でしょう。
まあ、しかし外国人選手、結局は始まってみるまでわかりません。本人も胡坐をかいているわけではなく、一生懸命日本野球に慣れようと研究をしていますので、始めのほうは打たないかもしれませんが、ここは長い目で見守るべきだと思います。そもそもロサリオが打たなければ優勝などありえませんので、ヘイグ・キャンベルとは違い今年は心中すべきだと思います。
今の状態は打たない懸念が出てきたというだけであり、打つか打たないかは開幕後、しかも1ヶ月はしっかりと打席を与えた後の判断だと思います。オープン戦で結果を残してくれればファンとして安心して開幕に望める、それだけのことです。お守りのようなものでしょう。
但し、開幕後調子が上がらない場合は4番に拘らず、打席は与えつつも下位打線で楽なところでの起用にして欲しいと思います。去年のゲレーロのように。
若手野手
糸原・大山・中谷はキャンプ序盤は調子がよかったですが、結局最後まで走り抜けたのは糸原のみ、大山・中谷・北條・原口・高山・陽川・江越・植田・梅野・坂本・熊谷・島田、誰もレギュラー及第点といえる打撃結果は残してくれませんでした。
ベテラン野手に関してはオープン戦は調整でいいけど、若手は早い段階からアピールしないといけないのになにやってるんだ!というお叱りの声を多く聞きましたが、ここが一番ファンの皆さんがイライラしているところでしょうね。
ここは二つ見方ができるかと思います。一つは単純に実力が足りてなかったり、打撃が崩れているということ。江越・島田・熊谷(前者)、中谷・北條(後者)などがそうでしょう。
もう一つは、チーム方針としてキャンプから最後までとにかく休む間もなく振込みをさせており、疲労困憊の可能性が高いということ。
阪神というチームは秋口に失速するシーズンが何度も続き、シーズンを通して結果を出す体力に問題があると金本監督は見ていると思います。従い、1年目から徹底的に筋トレをさせ、疲れてもバットを振れる体力を身につけさせてきました。それは3年目でも同じ事で、とにかくシーズン前は一年間戦う体力をつけるために振らせまくる、こんな方針なのではないかと想像しています。
従い、オープン戦に入り各チームの選手がキャンプの疲労を抜き実戦対応をしている中でも、振込みを続け疲れた状態で試合に臨んでいることで振りが鈍り結果が出ない、こんな状態だった可能性があるのではないかと思います。
最後の1週間くらいファンを安心させてくれるためにも、休息を取って「今年はいけまっせ!」というところを見せてくれてもよかったと思うのですが、別にファンを安心させたところで勝てる訳ではないので、もしそういうことであればよろしいのではないかと思います。
というか精神状態を落ち着かせるためにそういうことだったのだろうと勝手に解釈をして開幕戦観戦に臨みたいと思います(笑)。
現に金本監督も、これまでやってきたことは必ずオフに実を結ぶと自信を持って明言しており、昨日の練習あたりから状態があがってきているとも言っており、本当かどうか知りませんが、開幕前に休養を十分にとって調整をした結果であることを切に願います。
ピッコロさんがいよいよ本気を出すために身に着けていた重りを外した、みたいな感じになるといいですね。(脱いだ後いつも負けてしまうのは内緒)
チームプレー・作戦面が心配
ほとんど塁を賑わせずにオープン戦が終わってしまったので、打撃不振に関しては上記のとおり整理するとして、チームプレーが全く試せなかったところが非常に心配です。盗塁・エンドラン・進塁打等、色々と確認事項があったと思いますが、ほとんど試せなかったのではないでしょうか。
少ない機会の中でしっかりと対応できていればよいのですが、盗塁は12球団最下位の5のみ、送りバントも失敗が目立ち、広島が足を絡めたチームプレーを得意としている中、ほんまこんなんでいけるのかと打撃陣の不振以上にこちらの方が心配です。
打撃陣採点
うーん、採点のしようがありません(笑)。開幕前の安心感という観点からだけで言うと20点ですかね。ポジティブポイントは糸原の打撃面での成長と糸井が順調なことくらい、後は目処が経ったとは言いにくい状況です。ただ、打撃は水物、開幕後いくらでも変わりますので、そうなってくれることを祈るばかりですね。
守備・走塁
糸原の守備は目を瞑るしかないのか・・・
守備に関しては、大和の流出後に普通に守れて大和より打てる遊撃手の台頭を期待していました。候補としては西岡・北條・植田・糸原・熊谷だったのですが、結局打撃で大成長を見せた糸原が開幕スタメンの座をしとめようとしています。
打撃面は確かに魅力的です。しかしながら、やはり遊撃守備の印象は昨年と全く変わっていません。まず守備範囲が狭すぎる、送球までの無駄な動作が多い、肩は決して強くない、ベースカバーが遅い、盗塁時の捕球後のタッチが遅い、とキャンプまでは上手くなったかなと思いましたが、オープン戦を見る限りはかなり厳しいですね。
かといって誰がいるかというと、代わりの筆頭候補だった西岡は1イニング2失策でやらかしてしまいこれまた厳しい、植田・熊谷は打力不足、こんなときの北條なのですが現在二軍で調整中です。。。。こんな調子だと今年は即戦力遊撃手にドラフトアタックせざるを得ない状態になります。
植田・熊谷はもう少し打撃の改善に時間がかかりそうなので、個人的な期待としては北條ですね。二軍ではそこそこ結果が出始めているようなので、去年の悔しさ、そして開幕スタメンを糸原に取られた悔しさを糧にして、再度大型遊撃手に挑戦して欲しいと思います!
他のセンターラインもたいがいやばい
開幕スタメン予想では二塁手は鳥谷、中堅手は高山ですが、ここもたいがいやばいですね。鳥谷は堅実にこなしていますが、やはり守備範囲が狭い。かといってここに上本を入れてしまうと、糸原-上本の二遊間は攻撃的にはよいものの、もっとやばいです。。。。二人も守備固め要員はベンチに入れられませんので、やはり第一の選択肢としては堅実な鳥谷になってしまうのかと思います。
そして、中堅手は中谷であれば合格レベルだったのですが、開幕は高山となりそうです。オリックス戦ではよい守備もみせていたので、やはり中堅がいちばんましなのだと思いますが、それにしても中堅/桜井以上に怖い。。。。やはりどうにか目を瞑れる左翼に早く福留を追い越して座り、中堅には中谷か島田を据えたいところです・・・・。
走れる選手は糸井だけ・・・
守備面と実績も考えると二塁は鳥谷になってしまったのですが、これにより盗塁を狙える選手がラインナップで糸井だけとなってしまいました。エンドランなどで足を絡められるのはある程度単独スチールも相手が警戒しているからこそ(もしくは全く警戒していないところでやるか)。そして、控え選手も植田・島田等を入れない限りは盗塁を狙える選手は上本だけです。
ラ米の虎としては、今の打撃不振はどうせ揺り返しがあると思っていますが、このセンターラインの守備と走塁能力という一年間調子の波がないが故に、シーズン通して低いレベルで戦わなければいけない部分、ここに一番の懸念を覚えています。
これは、今のラインナップのままだと解決のしようがないのですが、長い目で見たときの解決案としては若手選手の成長しかありません。特に期待は島田と植田ですね。この二人が上位を打てるようになると、チームが大きく変わってきます。二人のうちの一人が2番を打てるようになるだけでも十分です。但しそのためには今のレベルではダメ、徹底して打撃を鍛えるとともに、バント、チームバッティング、盗塁などのリードオフマンに求められる能力を二軍を中心に向上させて欲しいと思います。
一方で、今シーズンを戦う上で短期的に見たときにこの守備と走塁の問題をいかにミニマイズさせるかは、方法がないわけではないと思います。これは後述したいと思います。
捕手争いも決着つかず
梅野・坂本に捕手再挑戦の原口を加えた形で始まった正捕手競争でしたが、結局開幕まで明確な決着はつきませんでした。開幕戦はとりあえずメッセなので梅野で決定でしょうが、それ以外の投手に対して誰を起用するのかはシーズン通して決定していくことでしょう。
一つのポジティブポイントとしては、待望していた原口の捕手復帰に目処がたったということです。これが一塁控えのままだと、右の代打しか役割がなくなってしまいますので、原口のポテンシャル的に非常にもったいない状況でしたが、少なくとも捕手で試合に出してもよいくらいのレベルにはなっているので、これからどんどんレギュラーを奪いに行ってほしいと思います。
ただ、一ついえることはドリマテには梅野を使いましょう!これ絶対です!もともと崩れやすい両投手なので、球を止めてもらえないと思った瞬間に、崩れ兼ねません。彼らにはどんな球でもとめるという信頼感のもとで鋭い変化球を投げてもらう必要あり、これは原口と坂本では勤まらないと思います。
守備・走塁採点
こちらは10点で。改善点は三塁の大山と山崎が戦力になりそうなことくらい。それにしても大山はやはり滅法肩強いし、送球も正確ですね。今年はゴールデングラブ狙えるくらいかもしれません。それ以外はよいところなし。
大和の流出の守備面の穴は結局レギュラーとして埋める選手は出てこず、上本が控えに回ることで走塁面でもマイナスです。なにより、走塁面は盗塁やエンドランなどのチームプレーをほとんど試せなかったところが大きなマイナスポイントです。
キャンプイン時との比較
野手陣のキャンプ・オープン戦の総括をしてみましたが、改めてキャンプイン時からの期待値との比較をしてみると下記の表のようになりました。
捕手陣はそれぞれ、無難にこなしたのと打撃面でも少し改善が見られましたかね。
内野は大山のコンバートのおかげで激しい動き。西岡はアキレス腱断裂からよくここまで戻ってきてくれました!
外野手に関しては中谷が伸び悩んだ代わりに、高山が入ってきたという感じで一進一退です。
特筆すべきは、中堅中心だった安芸スタート組がよくアピールしたところですかね。伊藤隼・緒方・山崎・荒木に加え、二軍で絶好調の板山、矢野監督の厳しい且つ負けず嫌いな性格が、非常によくワークした結果のように思います。自身も一流選手になったのは30代からですからね。
最後に
ということで、ネガティブ要素だらけになってしまった野手陣なのですが、打撃は今のままのはずはなく、勝手に上がっていくでしょう。
ただ、ロサリオが外れとなった場合はこれは一大事です。ラ米の虎的には糸井とロサリオ以外は代わりが効くほど選手層はできていると思うので、糸井が怪我で離脱しないこと、ロサリオがしっかり働くこと、これだけが心配事です。
一方で、守備・走塁に関してはもう改善の仕様がありません。なぜなら足の速く守備ができる選手でスタメンで使える選手がいないからです。となると、重要なことは選手の起用方法。先発投手をどこで諦めるかと同様に、どこで打撃型の先発野手を守備・走塁型に切り替えるか、今年上手く勝ちを拾えるかどうかはこの采配手腕にかかっているといってよいでしょう。
例えば、大量リードをされている場面。これは攻撃型に切り替えざるを得ないので、糸原・鳥谷(上本)・高山の交代は当然無し、キャッチャー梅野は原口に切り替える作戦をとるべき。
逆に大量リードしている場面では、交代してもしなくてもどちらでもいいですが、休養の意味と他の選手も使う意味で、交代させてしまってよい。
問題は、例えば比較的回の浅い6回僅差リードの場面でどのような采配を取るか。追加点を狙いに行くのか、僅差リードを守り抜く形にするために、早めに守備固めを投入するのか。味方中継ぎ陣の状態にもよりますし、打順がどこまで回っているかの兼ね合いでもありますし、相手の打順とリリーフ陣との兼ね合いもあり、非常に高度で難しい采配を求められると思います。
さらにいうと、今年の阪神の野手陣は絶対的な選手がロサリオ・糸井しかいない代わりに、各ポジションでスタメンで出してもよい野手が少なくとも二人はいる状況です。
捕手:梅野・原口・坂本
二塁:上本・鳥谷・西岡
三塁:大山・鳥谷・北條
遊撃:糸原・西岡・北條
左翼:福留・高山・俊介・中谷
中堅:高山・俊介・中谷
このような状況は、余り望ましくない状況に見えますが、逆に言うと固定する必要はなく相手との相性や調子を見ながら柔軟に打線を組むことができるというメリットがあります。これが、主軸が固まってしまっている広島・横浜にない今年の阪神の打線の強みだとラ米のトラは思っています。うまくはまればね。例えば、福留・鳥谷は右投手だけスタメンで出ていれば軽く3割超えするでしょう。
バレンタイン監督の時の千葉ロッテに近い形になるのですが、3番糸井・4番ロサリオの軸だけは固定しての運用となります。
幸い打撃指導では余り結果の出ていない片岡ヘッドコーチは調子の見極めはよいようなので、今年はこの柔軟な起用体制を取りつつ、若手の軸となる選手(大山・中谷・糸原・高山)を育てるとともに、まだ打撃が一軍レベルではない守備・走塁型選手(植田・島田・熊谷)がリードオフマンを担えるように、しっかりと鍛えてほしいですね。
理想の展開としては、こんな感じかな。
- 捕手:梅野打撃改善正捕手定着or原口打撃爆発正捕手定着/梅野抑え捕手、坂本は特定の投手用
- 一塁:ロサリオ大爆発!
- 二塁:鳥谷・上本がとりあえず今シーズンは回す。終盤から糸原も参戦
- 三塁:大山が定着。20本達成。
- 遊撃:初めは糸原で我慢。中盤から北條or植田が台頭。ドラフトでも大型遊撃手獲得
- 左翼:福留から高山にシフト。高山3割15本達成。
- 中堅:中谷が5月くらいから復調。二年連続20本塁打達成。
- 右翼:糸井がシーズン通し活躍。MVP。休養日は俊介が渋い活躍。
こう見ると三塁:鳥谷→大山、左翼:福留→高山、二塁:上本→糸原(遊撃はやっぱりきつい)、右翼:糸井→中谷まではなんとなく見えるので、将来構成を考えると目下の穴は遊撃手と中堅手ですね。特にこの面子をみると、走れて出塁率のよいタイプがいないので、リードオフマンタイプでしょう(糸原は走れないのでリードオフマンでもいいが7番あたりでも十分脅威)。となると、期待がかかるのはやはり島田と植田の超俊足コンビでの1/2番なのですが(熊谷でもよい)、ドラフトでも大阪桐蔭/藤原・根尾、報徳/小園らアスリート型の大型選手も獲得したいですね!
後、やはり期待したいのは横田の復活と成長です!いつか1番/センターか3番/センターでレギュラーの座を掴んでほしいと、首を長くして待っていたいと思います。
まずは金本監督の方針としては、育ちにくい中軸を作るということだと思うので、中軸に目処がたてばリードオフマンの育成にも向かうと思いますし、既に二軍ではリードオフマンタイプが矢野監督の超積極的の方針の下、盗塁しまくってます!
ということで、今年大事なのはこの3年で育ててきた中軸候補がきっちりと結果を出すことです!これができないといつまで経っても世代交代できず、来年もまた猫の目打線を継続しなければならず、ベテランも衰えていきますので常勝チームなど夢の先となってしまいます。
不安ばかり残る野手陣、そして守備・走塁面は解決の仕様がない感じですが、ここに書いてきたとおり采配次第では十分戦えると思います。
打線の調子に関してはジタバタしても仕方ないので、期待せずに期待しましょう!
本日もご覧頂きありがとうございました!
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