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初戦をおかしな勝ち方(笑)で拾った阪神。下位打線に対する小野の投げミスもありましたが、リーグNo.1防御率が示すとおり、どちらかというと投手陣はきちんと仕事をしており、現状の課題は野手陣。それも打つというよりは、走塁含めた得点への繋げ方、そして守備ですね。
これまでの試合で、相手打線に完膚なきまでに打ち崩され、完全に押さえ込まれたという試合がないのは、昨日書いたとおり戦力のベースが上がってきている証左だと思いますが、まだまだ野球が下手くそ、ここが徐々に落ち着いてくればいい戦いができるのではないかと思っています。課題の遊撃手の守備も糸原が落ち着いてきましたし。
ただ、いずれにせよ藤浪とロサリオには活躍してもらわないといけないので、本当に優勝争いを信じられるようになるかは彼ら待ちですかね。
ということで、今日の広島第二戦、こちらの先発は期待のルーキー高橋遥、ここまで3戦二軍で先発で投げましたが長い回にも対応し見事な投球、一方でなぜか成績は0勝3敗とこの子も無援護体質かと気弱な虫が走っていました。
相手投手は谷間ということで中村祐かなと思ったのですが、中村違いで中村恭でしたね。どうやらフォームを変更したことで、投球が改善したようですが、ウエスタンでも阪神戦で突如乱れ大量失点を喫しており、今日はある程度乱打戦になるかなと見ていました。
雨の心配もされていたのですが、そこは阪神園芸、あのCSの試合を9回まで面倒見たので小雨程度では余裕でしたね。
広島カープ第2回戦感想
高橋遥人/衝撃のデビュー！
この投手はドラフト時より注目していました。去年のドラフトの左腕で言うと田嶋・東がS級でそれに続く有力投手としてL/斉藤大将、M/永野、F/宮台、そして高橋遥人などが挙げられていました。
大体ドラフト前に映像を色々とチェックをするのですが、その際にみた高橋遥人の直球の伸びが半端なくびっくりしました。球の力自体は田嶋・東と遜色なくこれはいい投手だと思いましたが、何故か大学での成績が乏しく最終登板もボール連発と制球力と精神力に課題のある投手であり、素材はいいもののしばらく時間はかかるかなと見ていました。
むしろ馬場の方がまとまっていたのでデビューは早いかなと思いましたがまったく逆の結果になりましたね。糸原といいまったくわからないものです。
見た感じは朴訥としており、大学時のイメージから崩れだしたら早そうなので、今日のポイントはまず初球と先頭打者を見ていました。初球はぎりぎり直球をストライクで奪い、しばらく球が浮いていましたが、先頭の田中を投ゴに打ち取りました。
これで落ち着いたのか分かりませんが、切れのよい140km/h台後半の直球を低めにどんどん投げ込み、有利なカウントを作り外野に飛んだのはわずか二球のみ、あとは7回まで二塁を踏ませない完璧なピッチングで無失点/被安打2/無四球/5奪三振とセンセーショナルなデビューを飾ってくれました。打たれた二安打も打ち取った当たりの内野安打と内野ゴロが抜けたコースヒットだったので、もう完璧だったといってよいでしょう。
特に7回は直球のスピードが落ちてきて捕まるかなとも思いましたが、3-1のカウントからもしっかりとストライクを取り、球際に強いところも見せてくれました。これはやはり直球に力があるので、ファールでカウントを稼げるという自信があるところが大きいでしょう。球数も84球だったので8回もしくは完封まで狙えるかなと思ったのですが、ここは大事にいったようですね。結果よければ全てよしです。
同じ球の力で勝負する藤浪・岩貞も今日の高橋のピッチングを見習ってほしいと思います。
特に藤浪は直球をストライクゾーンに投げ込めばそうそう前には飛ばないので、隅を狙わず直球を散らす形がよいのではないかと思います。ど真ん中に行きヒットを打たれることはあるかもしれませんが、連打連打という感じにはならないでしょう。完璧を狙うからああいう風に力んでしまうように見えてしまいます。
とにかく見事としかいいようのない投球で勝ち星を手にし、甲子園初登板初勝利は村山以来59年ぶりとのこと。肩のコンディションの問題があるので次の登板がどうなるか分かりませんが、コンディションと、岩貞・能見・藤浪とまだ結果の出ていない投手がヤクルト戦から来週にかけて登板するため彼らを見極めてからでもよいと考えると、一旦抹消でもよいのではないかと思います。
とにかく、怪我をしてしまって球のキレがなくなってしまったという、若手プロスペクト選手の行く末でよくある話になるのが一番怖いので、今日の登板後にしっかりとコンディションの確認をした上で、怪我のないように大事に起用してほしいと思います。
ちょっと怖かった救援陣
高橋遥が完璧すぎる投球をしたおかげで、次に出てくる投手が非常に怖い状態でした。4点差あるとはいえ相手は逆転の広島打線、先頭が左打者の松山だったことと連投を避ける意味でマテオ・高橋聡ではなく、岩崎が登板しました。正直、高橋遥と似たようなフォームから伸びる直球で勝負する同タイプの投手なので、今日の高橋遥と比較すると打ちやすいかなと心配でした。
うまく松山は打ち取ったものの、イレギュラーバウンドでエラーで出塁されてしまう。二死までこぎつけたものの、会澤にはフルカウントから四球を与えてしまいます。岩崎の崩れ方ってこういう感じが多いんですよね。いい球投げるのにギリギリのところで四球を出してしまったり、ピンチになればなるほどその傾向が増える。なのでいいものを持っているものの、高橋聡と比べるとまだセットアッパーとして信頼しきるところまではいかないのかなぁ。
ここでエルドレッドが出てきたところで桑原にスイッチ。去年の桑原であれば高確率で抑えてくれるところですが、今日もまだいい球と悪い球が混在する状況で、甘い球を左中間に運ばれしまいます。ピンチが続きますがここはしっかりと田中を二ゴロ抑え、お役御免。
最後はドリスが安定の四凡でリーグトップの5セーブ目。9回ドリスは固定するものの、マテオの救援失敗で徐々に柔軟な運用が板についてきているように思います。まだ、マテオと石崎が不安材料としてあるものの、月末くらいまでには個々の調子を整えるとともに、運用体制を落ち着かせてほしいですね。
遊撃手に困らない阪神の伝統は健在なのか!?
今日の打のヒーローはなんと言っても糸原。4回まで二軍でも打ってた中村恭から1点しか奪えず、強力広島打線を前に稲川淳二が「やだな～、こわいな～」と出てきそうな状況、待望の追加点を得点圏打率.000の大山が押し出しでチームトップとなる9打点目をあげると(どういう状況やねん)、俊介がライトライナーで惜しくも凡退。
二点差でまだまだ得点が欲しい2死満塁の状況。打者糸原は粘りに粘り、レフト前への見事なタイムリー！いやーほんと勝負強い!去年の6番鳥谷、7番大和、8番梅野であればこうはいかなかったでしょう。
今年の課題としては遊撃手は誰をとっても帯に短し襷に長しで、今年はレギュラーを出すのは難しいかなと思っていました。糸原は打撃ではずっと結果を残してきたものの、キャンプからオープン戦にかけやはり守備面での不安が出てしまったため、今年は我慢しなきゃいけないのかなと腹をくくっていましたが、一昨日のファインプレー二つにくわえ、今日も初回丸のセンターに抜けそうな当たりを内野安打にはなったものの好捕するなど、ここ数試合は「うまい」といえる遊撃守備のレベルにまでなっています。
守備固めに出てきた植田は身のこなしからいっても、もっとうまいなと思ってしまったのですが、糸原がここ最近の守備を継続できるのであればレギュラーとして十分なレベルだと思います。
守備は堅実、打っては球数を投げさせられ、四球を選べ、小力があり、左も苦にせず、チャンスに強いということになれば、糸原の弱点は盗塁をできない足だけ。7番においておいても十分怖いのですが、出塁能力を考えると1番に糸原を置き、チャンスでの強さが戻った高山を6番、ちょっと当たりが止まっている大山を7番にするともっと打線がつながるんじゃないかと思います。
糸原が四球を選んでも次が梅野・投手だとやはり作戦の幅が減ってしまうので。
ということで、吉田→藤田平→真弓→平田→和田→久慈→今岡→藤本→鳥谷と続く、遊撃手には困らない阪神の伝統はまだまだ続いているのかなと、糸原をみて少し安心させられました。このまま、遊撃手のレギュラーをしっかり掴んでほしいですね。
上本の存在感
久しぶりの先発出場となった上本。何度もこのブログではいっていますが、ラ米の虎は上本の能力を高く買っています。これは決して鳥谷・西岡がだめということではなく、2番打者としてのスペックを考えると、打てる、粘れる、選べる、謎長打力がある、塁で揺さぶれる上本は一番の適任だと思っている次第です。
ただし、体力に問題があり西岡・鳥谷を戦力化する意味でも今は併用となっていること自体は、首脳陣の考えもあるでしょうから、否定するものではありません。
ということで、久しぶりに出た上本のパフォーマンスに注目していましたが、やっぱりいいですね。初回は不安定な立ち上がりの中村恭介からきっちり四球を選び先制のホームイン、追加点がほしい5回には安打を放ち、一塁上で何度となく盗塁の揺さぶりをかけ、糸井の四球のサポートとなり、その後の大量点につなげました。
現状高山が1番で四球を選ぶタイプではないだけに、余計に2番には粘り強い打者、そして走れる打者をおきたいところ。鳥谷も当然出塁率は高く、西岡も勢いをつける上でよいのですが、好投手が出てきたときには両選手は上本に比べるとやはり淡白に見えてしまう。
普通の選手であれば鳥谷はボール球を振らずに四球を取れるでしょうし、西岡も勢いに乗ってヒットを打てるでしょうが、好投手の場合はそうそうやらせてくれません。その場合に大事なのがファールで粘る、塁に出たら足で揺さぶるといったボディーブローをかけていくことなので、それをできるのはやはり上本だなと思ってしまう次第です。
まあ、鳥谷はスロースターター、西岡も怪我明け、上本も体力なく夏場に落ちるので、ここらはうまく使い分けをしていけばよいかなと思います。
初盗塁は梅野
変なところから出ましたね(笑)。8回3点差の状況で、投手はあんまりクイックがうまくなさそうなアデュワ。まさか相手も梅野が走ってくるとは思わなかったでしょうから、うまく成功させました。ほかも7回二死で大山が四球で出たときなんかは積極的に行ってもいい気がするんですが、まだまだ腰が重たいですね・・・
この盗塁をきっかけに、走る野球というのもどんどんチャレンジしていって欲しいと思います。4/5月中にやらないと、シーズン終盤の大事な状況で一か八かでできるはずもないので、シーズン序盤は失敗してもよいので、積極的な走塁を見せて欲しいですね。
最後に
ということで、昨日はミスらしいミスもなく(糸原のエラーは仕方なし)、いい勝ち方ができました。ヤクルトが負けたことで、これで単独首位に躍り出ました！とらほー！まあまだどうでもいいですけど(笑)
高橋遥はこのままローテ入りというのは難しいかもしれませんが、不足しがちになっている先発左腕に新星が出てきてくれたことは今シーズンだけではなく、今後の阪神にとっても非常に大きなことです。
ここ最近、阪神のドラフト2位は大成しないことが多いのですが(柴田・藤原・一二三・歳内)、最近は北條・石崎・坂本・小野・高橋遥といい感じですね。
今日はメッセンジャーと岡田の投げ合い。岡田はオープン戦までは薮田同様四球連発で調子が悪かったものの、初登板は見事な内容、手怖い相手です。交流戦まで広島戦は苦手マツダスタジアムで6試合となるので、どうにか明日も勝ちを拾ってほしいところですね。
今日のMOBは文句なしの高橋遥と糸原ですね。
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