阪神タイガースブログ ラテンアメリカの虎

ラテンアメリカ某国在住、虎キチ歴35年。梅雨時期には来年のことを考え始める癖が抜けない弱気な阪神ファンのブログです

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阪神タイガース 理想の阪神打線と守備位置

 

皆様いつもご覧頂きありがとうございます。

 

 

遅くなりましたが新年明けましておめでとうございます。前回の更新から仕事やら年末年始やらでばたばたしていたので大分更新が滞ってしまいました。。。

今年もこんなペースでやっていくと思いますが、ご愛顧の程宜しくお願いいたします。

 

キャンプメンバー発表されましたね。陽川が二軍というのが管理人的には不満でしたが、入れ替えも頻繁に行われるようなので、掛布二軍監督の下打撃面を磨きアピールして、是非三塁手/一塁手争いに飛び込んで欲しいと思います。

 

 

 

 

さて、2017年の編成及び将来の展望ということで、投手・捕手と昨年記事を載せてきましたが、内野手・外野手編に入る前に、その前提として阪神タイガースというチームはどのような打線・守備編成が望ましいか、管理人の勝手な意見を書いてみたいと思います。

 

まず、大大前提として考えなければいけないのが、チーム環境です。以下管理人のイメージですが、これらの要素はチームとしての所与であり、短中期間若しくは半永久的に変更するのが難しい要素ですので、これらを前提にチーム作りをしていくことが大事になります。

 

1) 地元人気は圧倒的、全国にもファンの多い人気球団

2) マスコミの注目度が高い

3) 比較的球団に資金力がある

4) 伝統的球団経営

5) ファンの耐性が高い

6) ホームグラウンドが甲子園球場

 

1)~5)に関しては打線云々の話ではないのですが、一言で言うと兎に角ファン・マスコミ含めプレー、采配、球団経営の一挙手一投足がいちいちニュースになり、良くも悪くも注目度が高いということ。

 

2003年の久々の優勝以降はファンも贅沢になったため、毎年優勝争いをしなければいけないというプレッシャーのもと、巨人ほどではないにせよ育成が疎かになり補強を繰り返してきました。(巨人は生え抜き育っているだろうという方もいますが、ドラフト(江川、元木、二岡、上原、高橋、阿部、長野、菅野)も含めやり方が気に食わないので、坂本以外は育成していないと思っています。)

 

比較的資金に余裕があること、球団経営が旧態依然とした日本経営であることも働き、これまでフロントに責任が及ばないよう、内部紛争が起きないような(ドラフトで各スカウトのボーナスに影響するので夫々の担当から指名するという噂が立つ等)編成を繰り返してきた印象ですが、本来阪神ファンはヤジは汚いものの、暗黒時代を経てとても我慢強いファンだと思っています。

 

現に去年は4位に沈んだものの、若手選手が躍動し、今年への期待を残すシーズンとなり、優勝争いをし2位になった和田政権最終年よりファンの支持率は高いと思います。

 

何を言いたいかというと、阪神ファンは結構我慢強いので、眼前の利に囚われず、長期のビジョンをもってスター選手を輩出する球団になって欲しいということです。やはり日本代表に藤浪がギリギリ入るだけというのは寂しすぎます。。。

 

また、今年の編成についてもゴメスを解雇し、一塁手不在という状況を嘆いているファンが沢山いらっしゃいますが、一番大事なことは

 

来年20本打てる外国人を取ってくることではなく、これから何年も20本を打ってくれる打者を育てることであります。**

 

その候補としては、原口、北條、高山、中谷、江越、陽川、横田、そしてドラフトで取った大山とこれまでに比べると大きく期待できます。そして彼らを育てるためには、真の意味でのポジション争い及び経験をさせなければならず、一塁しか守れない大型契約の外国人で埋めてしまうと、上記のうち去年準レギュラーまで上りつめた北條・高山以外の経験値の獲得がポジション的に極めて限定的になる恐れが出てきます。原口ですら捕手失格となった場合、一塁が埋まっていると出場できなくなってしまいます。

 

この観点で、今年はシーズン当初は若手を引き続き登用し見極めを行いつつ、キャンベルが外れた場合や若手がうまく育たない場合等、状況によって一塁手の新外国人をシーズン途中で補強する形がベストと思っています。

 

これをやると今年は優勝は難しいかもしれませんが、メッセも日本人化する2018年の優勝を目指して、今年は去年出た芽を存分に伸ばすシーズンにしてほしいと考えています。なので、現在のフロント・現場方針はいい方向に向かっていると信じています(先発投手は補強して欲しかったが)。

 

管理人は、幾ら最下位が続いても和田がシーズン3割打ったことに満足を感じていた極めて気弱なファンですので、あと数年は我慢できます!

 

 

 

さて、話が大分脱線してしまいましたが、上記最後にあげた「ホームグラウンドが甲子園球場」という要素、これが言わずもがなですが野手を編成する上で極めて重要な要素になります。他セリーグ球団と異なり特徴としては、以下の通り。(対極にあるのが箱庭ドームや神宮、横浜)

 

① 天然芝/土のグラウンド

② 右中間・左中間が異様に広い

③ 浜風の影響で左打者(特にアーティストタイプ)のホームランが出にくい

 

①②の要素を考えるとやはり守備の重要性が他の球場と比べとても高くなるため、守備からチームを作っていくというのが自然な考え方になります。落合政権の守備鉄壁(アレックス・英智・福留・アライバ・谷繁)で強かったときの中日がよい参考例でしょう。管理人の考える最低限の守備の優先順位的には以下の通り。

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捕手は言わずもがな、打撃がいい事に越したことはないですが、扇の要として優先順位は守備。内野手に関しては一塁は守備範囲/肩は求めないがハンドリングがよいこと、二塁手は近年重要視されているものの、遊撃と比べ送球距離が短いこともありB、遊撃は完全に守備優先、三塁手は早い打球への反応と肩の強さでしょう。甲子園の右中間を考えると中堅は守備範囲が広いこと、右翼は一塁から三塁への走者の抑止力となる肩が必要、左翼は中堅・右翼と比べると最低限でよいでしょう。

 

 

次に、打線に関してです。③の浜風が打線を組む上で大事な要素ですが、やはり今年のHR王の筒香ですら甲子園では余り打っていないとおり、所謂弾道が高い球を運ぶタイプの打者には不利。ブラゼルや金本が40本打ちましたが、ブラゼルは高反発球時代(翌年は酷かった)、金本はどちらかというとライナー系で運ぶ打者でした。つまり、左打者に関してはアスリート型の中距離打者で基本は右中間に運び、つぼに嵌ればHRというタイプが向いています。鳥谷、糸井、福留などはそのタイプですね。逆に右打者は浜風が有利に働くため、アーティスト型が嵌ります(長らく出てないですが。。。)。

 

 

ということで、まず中軸から固めていくと以下の通り。

 

 

4番打者:HRを期待したいので右打者、特にチームの主砲として出塁率・長打率・得点圏打率等、打撃面の全ての指標が求められる (当たり前ですが) 。走力は二の次。

5番打者:全ての指標がいいことに越したことはないですが、打撃は若干荒くとも一発のあるタイプ (アリアスのような) 。走力は二の次。

3番打者:後続に右打者が続くこと、またチャンスメーカーとしての役割も果たすこと、併殺打の可能性を減らすことからも(シーツ/マートン/新井の3番は兎に角ゲッツーが多かった)、ある程度足のある左打者が理想。長打は前述の通り中距離砲

6番打者:5番打者にブンブン丸タイプの右打者を置いているので、逆に中距離砲の粘り強い打者。走力は大して求めない。

次に1/2番ですが、なんといっても重要ポイントは中軸にチャンスを回すための出塁率。

1番打者:核弾頭として、出塁率が高いこと、盗塁ができることが理想。終盤チャンスに回りやすいこともあり、ある程度の長打力も期待したいところです。理想としては、真弓・今岡/マートンのように先頭打者HRで勢いをつけるか、赤星のようにいやらしい先頭打者か。

2番は犠打、進塁打等状況判断ができることが重要、また打率はそこまで期待せずも、四球を選べる出塁率が高く、盗塁もそこそこ狙える打者。右打者が走者を見やすいので状況判断がやりやすいという定説もありますが、今岡/マートンタイプの強打の右打者を1番に置く場合、左打者で強攻をした際にも併殺が少ないというパターンも考えられます。

7/8番は所謂下位打線。基本的には守備型の選手及び捕手を置くことになるでしょう。但し8番打者は次が投手ということもあり、2outでも粘って四球を取り投手に回し、次の回を1番から回すこと、0/1outであれば、投手にバントさせ得点圏で1番に回させることができる選球眼の持ち主が理想です。

 

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打率:A .300以上、B .270~.300  C .240~.270 D .210~.240

出塁:A .350以上、B .320~.350  C .290~.320 D .260~.290

長打:A 25本以上、B 15~25本  C 5~15本 D 0~5本

走力:A 25盗塁以上、B 15~25盗塁  C 5~15盗塁 D 0~5盗塁

 

 

 

 

ということで、守備位置(特に走力と守備範囲)の関係で統合してみると以下のような形になりました。

 

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守備範囲が求められる中堅は1番、遊撃に比べ守備優先が低く、長打も求められない二塁手は2番、ある程度の守備範囲を求められる右翼は3番、打撃優先の4/5番は一塁/左翼、守備力が一塁より求められる三塁手は6番、守備優先の遊撃手と捕手は7/8番です。もちろん、編成をする上ではその時の戦力で守備位置と打順の組み合わせは変わります。

 

こう長々と書いてみると、誰でも思いつく当たり前の感じの結論になってしまいましたが、編成を考える上では当たり前=作りやすいことを念頭に考える必要があるということです。遊撃手や捕手に打撃をそこまで求めるものでもないし、逆に守備優先度の低い一塁に短距離砲を置くのはメイクセンスしません。逆に言うと、遊撃や捕手の打撃がよかったり(鳥谷、矢野、阿部、坂本、等)、左翼、一塁の守備がよければチームのストロングポイントとなり、より編成がやりやすくなります。

 

 

ところでこの打線、どっかで見たことありませんか?

 

 

そう2003年の阪神です。

 

 

1.今岡(二) 2.赤星(中) 3.金本(左) 4.濱中(右) 5.アリアス(一) 6.片岡(三) 7.矢野(捕) 8.藤本(遊)

 

 

濱中が途中で桧山に、左翼と右翼、矢野と藤本の打順(矢野がストロングポイントだった)が若干違いますが、阪神タイガースにとって略理想通りの打線であったといえます。逆にウィークポイントは濱中の右翼守備、今岡の足でしょうが、桧山は守備力は十分、今岡は足の遅さをカバーする打棒だったでしょうし、盗塁に関しては赤星がカバーしていました。

 

 

また、2005年の優勝打線も、理想と若干異なる部分はありますが、内外野の両翼は中軸を、センターラインが上位/下位を作る形となっています。守備面も今岡三塁以外大きな穴が見られません。特に一塁のシーツの守備はストロングポイントでしょう。

 

 

1.赤星(中) 2.鳥谷(遊) 3.シーツ(一) 4.金本(左) 5.今岡(三) 6.桧山(右) 7.矢野(捕) 8.藤本/関本(二)

 

 

 

2010年打線だと、遊撃手、捕手にストロングポイントがあり、超絶強力打線になりましたが、4番以降の並びが何れも早打ち選手が目立ち、数字の割には脆かったイメージがあります。また、外野守備も酷いものでした。。。投手陣の問題もありますが終盤の大事な場面で勝ちきれなかった一つの要因でもあるでしょう。

 

 

1.マートン(右) 2.平野(二) 3.鳥谷(遊) 4.新井(三) 5.ブラゼル(一) 6.城島(捕) 7.金本(左) 8.浅井(中)

 

 

ということで、理想の阪神打線と守備位置を、余り目新しいこともない当たり前の見解だらだらと書いてしまいましたが、最後に現在の阪神及びこれからの阪神に当てはめてみるとこんな感じでしょうか。

 

 

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2017年の打線守備を見てみると、ストロングポイント/ウィークポイントは以下の通り。

 

 

SP:北條/原口が遊撃/捕手としては打撃がよい。三塁鳥谷の守備。若手の伸び代が楽しみ。

WP:守備面では上本/糸井/原口/北條が不安。攻撃面では両翼が左打者かつキャンベルが中距離タイプなので右の長距離砲不足。鳥谷がどこまで復活できるか。福留の衰え。

 

 

やはり、センターラインの守備に不安があること、右の長距離砲不足が致命的です。

 

 

将来に目を向けてみると以下の通り(期待値込みです。)

 

 

SP:北條/原口が遊撃/捕手としては打撃がよい。横田が順調に育てば長距離も足もある理想の1番打者。大山が順調に育てばNPBで不足している守備も打撃もよい三塁手。

WP:横田がアベレージを残せる打者になるか不安。北條が二番打者にしては鈍足、守備も不安。高山が中距離タイプにしては守備が悪い。4番打者が不在。6番における左の中距離砲がもう一枚ほしい。原口の守備。二塁の人材不足。

 

 

上記に挙げた以外にも、中軸候補で中谷/陽川(両翼/一塁/三塁)、センターライン/上位下位候補で糸原、植田、捕手候補で梅野、坂本、長坂あたりが入ってくる可能性があります。

 

こう見てみると中軸タイプは結構獲得/成長しているものの、出塁率がよく走力もあるリードオフマンタイプが逆に不足(横田/江越は足はあるが出塁率悪いし、高山/北條は出塁率はよいも足がない(今のところ)。板山/植田/糸原は未知数)。また生え抜き四番としてどんと構えてもらう候補が現状期待値込みで大山のみでしょうか。

 

今後の補強案としては、四番候補は高校生をドラフトで上位指名しつつ、FA/外国人でしのぐ。センターラインのリードオフマンタイプは比較的ドラフトでも取りやすいので、足と守備を重視した選手を中位~下位で高校/大学共に獲得、特に遊撃手は植田と競争できる選手を特に守備を重視して獲得、といったところでしょうか。

 

四番候補については、来年のドラフト(清宮/安田)、FA(中田)に期待しつつ、身体能力の高いリードオフマンタイプも是非獲得して欲しいですね。リードオフマンタイプはFAで取ると年齢的な問題で脚力や守備力の衰えもあるので、ドラフトで補強して欲しいと思います。

 

 

 

 

長文をご覧頂きありがとうございます。内野手偏/外野手偏を書く前に、その前提条件を整理しておきたかったので、当たり前のことばかり書いてしまいましたがご容赦いただきたく。

 

 

 

繰り返しとなりますが、今年もご愛顧のほど宜しくお願いいたします。